子どもたちにとって、保育園は多くの時間を過ごす「もう一つの家」です。そのため暖かみのある雰囲気づくりを心掛けています。
居心地の基本は子どもに合った施設です。
大人も子どももおなじ、サイズに合わない服は着づらいもの。建築だって同じです。社会は大人のサイズに合わせたものばかり。こども施設にいる間くらい子どもが使いやすいサイズであってほしい。
子どもの身長は、保育施設に通う0歳から6歳の間で約60cmほども成長します。活動は、寝ているだけの段階から、座り、ハイハイを始め、立ち、歩き、走ると、目覚ましく発達します。活動とともに視野が広がります。こうした発達段階に応じてしつらえの高さ、つくりを考慮していきます。
「気持ちの落ち着ける雰囲気を大切に」をコンセプトに、インテリアは木質感を大事にします。木は呼吸し調湿効果を持つばかりではなく、情緒を安定させたりする効果も報告されています。
子どもたちにとって、保育園が発見の場であったらうれしい。そんな気持ちで作ります。具体的には何かのきっかけになる工夫づくりです。
まだ、何物でもない子どもたちだからこそ、何に反応し、興味を持ってくれるかはわかりません。そこで私たちにできることは様々な場を用意することだと考えています。
私たちが心がけているフレーズ、それは...
「広い場所、狭い場所、高いところ、低いところ、明るいところ、暗いところ」
そんないろんな場所を提供したい。素材も多様に、何が発見につながるかわからない「多孔質な建築」を目指しています