保育園の設計を建築士に依頼するメリットについて見てみましょう。
保育園の設計を建築士に依頼するメリットは、設計の自由度が高いということです。
保育園は、園児の安全性に配慮した設備を備えることが重要で、保護者にも安心感を持ってもらえる施設にすることが大切です。また、保育士や調理師など、園働くスタッフが仕事がしやすいというのも欠かせないポイントです。
建築士は建築に関する法律や、保育所開業に求められる基準をしっかりと踏まえた上で、機能性、デザイン性などに配慮した空間を作り出すことができます。
また、多くの施設を手がけている設計士であれば豊富なアイデアをもっており、これまでの経験値から用いる建材、レイアウト、内装デザインなどについてさままな提案をしてくれます。
保育園を開業するための土地を確保したくても、すべての条件を満たす土地に出会えないケースがあります。設計の自由度が高いということに関連しますが、建築士に依頼をするとまわりの環境を踏まえた上でプランを立ててくれます。例えば、駅に近いなど場所を優先したためにまわりに建物などが多い場合。日射や通風、騒音などに配慮しながら、限られた土地の中で子どもたちの保育に適した設計を提案してくれます。また保育園は地域とつながり、ともに子どもを育てていくことが理想です。地域住民への配慮として、園内にコミュニティースペースを作るなど、地域の人たちと交流できる園づくりも提案してくれます。
また、用いる建材についても細やかに相談にのってくれます。
無垢材をフローリングに用いたり、園庭に向けて大開口の窓を作ったりしても夏の暑さ、冬の寒さ対策としてペアガラスなどを採用し、外気温の影響を受けにくい、そして園内の温度環境が外に逃げない提案をしてくれます。
なお、建築士の等級によって扱える建物の規模などが異なるのをご存じでしょうか?
建築士には一級建築士と二級建築士があります。それぞれが扱える建物の規模などの違いを簡単に説明しましょう。
二級建築士は、扱える建物の規模、用途、構造などに制限があります。一般的に戸建住宅程度の建物であれば、木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造での設計を行うことが可能です。
一級建築士の場合、扱える建物の規模、用途、構造に制限はありません。例えば、高層マンションのような建物でも設計することが可能です。
デザインや設計の要望の伝え方についてお話ししたいと思います。
建築士と依頼する方との大きな違いは、考える視点の数が違うということ。建築士は、さまざまな視点から設計について考えを巡らせています。
さまざまな視点の中で、大きな割合を占めるのは依頼主のみなさんの要望です。それを受け止めた上で改善点や問題点、プラスアルファのアイデアを、専門知識をもとに提案を行っていきます。依頼される保育事業者のみなさんの保育への思いを設計に反映するためにも、しっかり要望を伝えるようにしましょう。
まずは以下のことを意識してみてください。
まず、どうしても譲れないことについてはっきりと伝えるようにしましょう。建築士は考える視点の数が多く、それぞれに優先順位を付けていくからです。何を優先するかというのは、設計のコンセプト、また開設される園の保育理念にもつながることなので、「ここだけは必ず実現したい」ということは、きちんと伝えるようにしましょう。
そのほか、頭の中にある園のイメージは絵や写真で伝えるのもおすすめです。言葉だけでなく、具体的にイメージができるように写真などを用意しておくとよいでしょう。園の設計を依頼するうえで注意してほしのは、建築士には、それぞれ手掛けてきた案件により得意分野などがあります。そのため、施設などを設計していたとしても、保育所に関する知見が十分とは限りません。
子どもたちとその保護者、保育士のみなさんが快適に、そして安全に過ごせる空間を完成させるためにも、保育所などの設計経験のある建築士にご相談されることをおすすめします。