保育現場で行われるマグネット遊びの種類
ひと口にマグネット遊びといってもその種類は多様です。工夫次第でさまざまな遊びが可能ですが、ここでは、その中でも代表的なマグネット遊びを紹介します。
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ホワイトボードに貼ったりはがしたりする遊び
大判のマグネットとホワイトボードを用意します。大判のマグネットを、四角や丸、三角などに切り、それをホワイトボードに貼ったりはがしたりする遊びです。
主に乳幼児向けで、貼ったりはがしたりするだけでも楽しめます。少し慣れてきたら、ホワイトボードに家や車など簡単なものを描き、そこにマグネットを当てはめるパズル遊びも楽しいでしょう。マグネットはたくさんの色を使うのがポイントです。
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マグネットにつくものを探す遊び
金属、紙、布などさまざまな素材を置き、その中からマグネットにつくもの、つかないものを探す遊びです。マグネットの特性を知ることができ、子どもの知的好奇心も満たされます。
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魚釣り遊び
画用紙に魚を描いて切り抜き、マグネットに貼り付けます。そして、割りばしに糸を縛り付け、その先にマグネットを付ければ、魚釣り遊びが楽しめます。誰が一番多く魚を釣ったかを競うゲームにしてもいいでしょう。
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自動車で道路を走らせる遊び
紙に自動車を描き、クリップを取り付けます。それを大きな紙に描いた道路の上に置いて下からマグネットを使って走らせる遊びです。車を人に変え、迷路脱出ゲームにしても楽しめます。
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連結遊び
紙で電車をつくり、前後にマグネットを取り付けてどんどん連結させていく遊びです。どれだけ多くの電車を連結させられるかを競うゲームにしてもよいでしょう。
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砂鉄遊び
マグネット遊びは室内だけではなく、屋外でも楽しめます。その代表的な例が砂鉄遊びです。公園や園庭の砂場で砂鉄を集めて遊びます。
また、集めた砂鉄を使い、紙に人の顔や動物を描いてその上に砂鉄を置き、裏から磁石で動かして髪の毛をつくったり、ひげを生やしてみたりといった遊びも楽しめるでしょう。
保育の現場でマグネット遊びを行うメリット
さまざまな種類があるマグネット遊び。保育の現場に導入することでどういったメリットがあるのでしょう?主なものとしては次の3点が挙げられます。
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科学に対する興味が高まる
最初のうちは、ホワイトボードに貼ったりはがしたりするだけですが、年齢が上がり、「素材によってマグネットが付くものと付かないものがある」「マグネット同士を近づけるとくっつく場合もあれば反発する場合もある」など、多くのことに気づくようになります。それが、科学に対する興味につながっていく可能性があるでしょう。
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主体性を持って、いろんなことを考えられるようになる
「なぜ、マグネットは方向によってくっついたり反発したりするのか」「なぜ、鉄にはくっつくのにガラスにはくっつかないのか」など、多くの疑問を持てるようになれば、そこから次のことを考えるようになり、主体性が育ちやすくなるでしょう。
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想像力が向上する
「車を走らせたら、次は電車を走らせてみよう」「マグネットで福笑いをつくってみよう」など、マグネット遊びはちょっとしたアイデアや工夫で、たくさんの遊び方を生み出すことができます。
ある程度、マグネット遊びに慣れてきたら、後は子どもたちに遊び方を考えさせるようにすれば自然と想像力の向上が期待できるでしょう。
マグネット遊びをする際に気をつけるポイント
マグネット遊びを行ううえで、気をつける点は次の通りです。
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ハサミやノリの扱いに十分、注意する
「マグネットを切る」「電車や車を描いて切り取る」「立体物をつくる際にノリを貼る」といった作業を行う際、手や指を切ったり、ノリを口に入れたりしないよう、十分に注意します。
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科学的に誤った気づきを得たとしてもすぐに訂正しない
マグネット遊びを行う狙いの一つとして、主体的な思考の獲得があります。正しい科学知識の習得も重要ではありますが、最初の段階では正しい・間違っているはあまり気にする必要はありません。むしろ、先生が訂正することで主体的に考えられなくなるほうがマイナスです。
マグネット遊びは自由にいろんな遊びを考えさせるのがポイント
マグネット遊びは、基本的に何度でも貼ったりはがしたりが可能なため、0歳児でも気軽に遊ぶことができます。また、年齢が上がるにつれ、科学的な興味関心を高めたり、主体的な思考の獲得に効果を発揮したりなど、幅広く楽しめるのもメリットと言えるでしょう。
マグネット遊びの効果を高めるポイントは、できるだけ子どもに遊び方を考えさせることです。最初だけ先生が提案し、後は子どもの自主性に任せると次々と新しい遊び方を考えられるようになるでしょう。