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【子ども施設NOW】
保育における
かくれんぼの役割とねらい
2022.05.20

INDEX

かくれんぼは、鬼に見つかるまでのドキドキ感や、かくれ場所を探すワクワク感が楽しいグループ遊びです。何人かで役割を分担して行う遊びなので、お友だちとのやり取りでコミュニケーション能力が育ちます。
また、かくれんぼには、どこにどうやってかくれようかを工夫する、どこにかくれているのだろうかと推理するなど、子どもたちの能力を引き出す要素がたくさんあります。保育におけるかくれんぼの役割とねらいをご紹介します。

かくれんぼの役割とは

かくれんぼは、鬼役の子と鬼から逃げて身をかくす子に分かれて数人で行うグループ遊びです。数人が同じ遊びを一緒に楽しむには、遊びのルールを守る必要があるので、ルールを理解したり協調性を身につけたりすることができます。
保育の現場では、年少クラスには年少向けのかくれんぼ、年中、年長にもそれぞれのかくれんぼのルールを定めるなど、その年齢の成長に合うように工夫して、子どもたちが楽しく遊べるようにしてあげましょう。
年少のかくれんぼの場合、赤ちゃんのときに喜んでいた「いないいないばぁ」の延長で、かくれることより見つかることの方が楽しいので、「○○ちゃん、みぃ〜つけた」と言い合うことを楽しむ遊びとします。
かくれんぼを、鬼とかくれる子の勝ち負けを競うルールで本格的に遊べるのは、小学校に入学してからになりますが、年長になるとかくれたり探したりができるので自分たちで楽しみを見つけられます。

保育におけるかくれんぼのねらい

かくれんぼは、協調性のほかにも身につく能力がいくつかあります。ルールの中に、鬼が数を数えるというものがあります。かくれる方の子たちが身をかくす時間として10数える、かくれた子の数から見つけた子の数を引いて、あと何人かくれているかを知るなどです。
数を数えること以外にも、鬼はかくれている子を探す際に、かくれていそうな場所を推理する力を養います。かくれる方は、10を数える時間の中で、どこまでいけるのか、どうかくれるかを考える時間的な概念を身につけることができます。
また、かくれる時は、見つからないように、一人でじっとしていなければいけないので、孤独に耐える忍耐力が求められます。鬼の時は一人で探し続ける根気がなければいけません。いずれ、かくれんぼは、ひとりで考えて行動する能力を養う側面もあります。
この他にも、鬼のいる位置や自分の体の大きさを考えて隠れ場所を探す空間的な概念や、自分の体をかくすためにその場にある物を移動させたり、道具を使ったりするなどして物理的な概念を養うこともできます。

園の設計で考えられるかくれんぼを楽しめる仕掛け

かくれんぼを楽しめる空間には、ちょっとした「死角」をつくってあげることが必要です。保育の安全上、全くの「死角」をつくるわけにはいかないので、子どもがしゃがむと体が隠れるくらいの、子ども目線でのかくれ場所を作ってあげるといいでしょう。
また、スポンジ積み木やマット、布などを用意し、子どもたちが隠れ場所を作れるようにしてあげる方法もあります。広いプレイルームにかくれんぼ用のアイテムを収納する場所を設けて、アイテムを用いて、子どもたちと空間づくりから始めるのも楽しいかくれんぼになります。
かくれんぼは、年少クラスでは保育士さんと一緒に行う必要がありますが、本来は、子どもたちが自主的に始める遊びです。
年中から年長の子どもたちが、自分たちで相談してルールを工夫して楽しめるよう、屋内や外庭に、かくれ場所を作れる仕掛けを園の設計時から考えると、かくれんぼ以外の遊びを生み出すきっかけにもつながります。

かくれんぼが楽しめる保育の環境づくり

園の建設を考えるとき、起伏のある土地ならば、平らに整備しなければいけないと思いがちですが、起伏を生かして子どもたちに面白がってもらえる空間が作り出せると、かくれんぼがぐんと楽しくなります。
屋内でかくれんぼをするときは、内履きのままで外に出られるウッドデッキテラスがあれば、屋内と外庭を行き来できたり、デッキを回遊して保育室を移動したりできるので、かくれる範囲が広がります。
屋内の空間も、はしごや登り棒、段差など、上部に上ることができる設えをすることで、平面的な空間を思い浮かべがちな保育室に動的な空間をつくってみましょう。天候に関わらず、思いっきり体を動かしてかくれんぼをすることができます。
一般的に外庭は、見通しがきいて見守りやすいように広くて、視界を遮る物がないグラウンドが望ましいと考えることでしょう。そこを、子どもたちが遊びたくなるようにするには、樹木を植えたり、起伏のある砂場を設けたり、固定遊具を配置したりが考えられます。かくれる場所も多くなり、かくれんぼに適した外庭になります。

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