シュタイナー教育ならではの3つの特徴
シュタイナー教育は、1919年のドイツに設立された「ヴァルドルフ学園」が発祥です。「精神の自由」を重んじる教育方針ということもあり、一般的な学校教育とは異なる3つの特徴を持っています。
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7年ごとの成長過程に合わせたカリキュラム
シュタイナー教育では、0歳から21歳までの成長過程を7年ごとに区切り、それぞれの年代にふさわしいカリキュラムを提供しています。
- 第1期(0歳から7歳)
- シュタイナー教育の第1期は、子どもの体を形作るための時期として、日々の生活のリズムと周囲の大人からの影響が重要と考えられています。主に体を動かして遊ぶことや、手先を使う作業が採用されるケースが多いようです。
- 第2期(7歳から14歳)
- 第2期のシュタイナー教育は、心や感情を育てることが目的です。多種多様な芸術作品に触れることで、豊かな感性を育んでいきます。
- 第3期(14歳から21歳)
- 第3期に移ったシュタイナー教育では、思考力や判断力、自我や知力の発達がテーマとなります。
わかりやすく言うと、頭脳を育成する時期です。パソコンやインターネットを活用し、論文を作成したり、高等数学など興味を持った分野に取り組むタイミングでもあります。
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教科書もテストも存在しない授業
シュタイナー教育では、教科書もテストも存在しない授業が行われます。教科書の代わりに、生徒それぞれに「エポックノート」を持たせ、授業で学んだ内容を自身の手で書いて「エポックノート」にまとめる形です。
そのため、子ども一人一人で異なるオリジナルの教科書づくりにつながります。文字だけとは限らず、図解で表現するなど、100人の生徒がいれば、100通りのノートができあがるということです。
テストのたぐいが一切実施されないのもシュタイナー教育ならではの特徴です。そのため、テストの点数や順位などにとらわれず、自身の価値観に基づいて行動する人間に成長する可能性があるとも言えるでしょう。
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長期間の一貫教育
シュタイナー教育を採用している学校では、幼稚園から小学校、中には小学校から高校まで長期間の一貫教育が行われています。長いところでは、幼稚園や保育園から高校までの15年間を同じ学校に通うケースもあるほどです。
先述した「7年ごとの成長過程に合わせたカリキュラム」を実践することが、長期間の一貫教育の理由となります。
シュタイナー教育で得られる3つのメリット
シュタイナー教育を選ぶことで、次の3つのメリットが得られます。
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自主性
シュタイナー教育では、子どもが物事を自分の頭で考えて、その都度、適切な判断ができるようになることが重要視されています。そのため、自主性を持った大人へと成長しやすいと言えるでしょう。
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独自の価値観
シュタイナー教育の特徴でも紹介しましたが、シュタイナー教育ではテストが存在しません。テストが存在しないため、テストの点数や順位による優越感や劣等感を抱くことなく、独自の価値観を育むことにつながります。
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個性が伸ばせる
シュタイナー教育では、幼少期から音楽や芸術に触れる機会が多いため、想像力や創造力、感受性や感性、情操面の成長を促す環境であるという見方もできます。そのため、子どもの個性を伸ばしやすいこともメリットのひとつとなり得るでしょう。
シュタイナー教育に潜む2つのデメリット
シュタイナー教育は自主性や独自の価値観といったメリットが得られる一方で、次の2つのデメリットも潜んでいます。
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協調性
シュタイナー教育は、子どもが自由に行動することで物事を学んでいき、成長していくことを目的としています。周囲に左右されることなく、柔軟な対応が可能となると同時に、他の教育システムで育った子どもと比較した際に、協調性に欠ける点が目につきやすいかもしれません。
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学業の遅れ
シュタイナー教育では、特に幼少期において、学業に関してはあまり重要視していません。それよりも体づくりや情操面へのアプローチが主に行われています。
幼稚園や小学校から高校までシュタイナー教育が受けられるのであれば、良い結果に結びつく可能性があるでしょう。
とはいえ、まだまだ日本ではシュタイナー教育の一貫教育は浸透しているとは言えません。そのため、中学校や高校から公立校や私立高に切り替わった際、学業の遅れが生じることも考えられます。
日本で受けられるシュタイナー教育施設
日本国内で受けられるシュタイナー教育の施設として、以下の学校があげられます。
シュタイナー教育に興味のある方は、それぞれの学園の公式サイトを訪問してみてはいかがでしょうか。