改築するにあたっては、「仮設園舎を別途建て、引っ越し、旧園舎取り壊し、新園舎建設、引っ越し」の手順が、技術的・物理的には最善なのですが、これでは子どもたちは2回の引っ越しとなり負担が増大します。
そのため、「園庭に新園舎を建て、引っ越しし、旧園舎取り壊し」という手順を採用します。もちろん経済的にも仮設園舎分の予算を新園舎に充当できます。
そのような経緯を経て、改築にすることが決定。都や区はもとより、保護者の皆様、地域のOBOGの皆様の大きな協力がありました。
私たちは新設保育園などの建設を通じ、多くの建設反対意見にさらされながら仕事をすることも多いため、この協力の輪に、この園の育んできた「歴史の重み」を感じました。
実際の建築計画は、園庭全体をいっぱいに使った建物ですが、平屋などは難しく、3階建ての構成となっています。1・2階は保育室、3階に事務系の諸室をまとめています。
ここで、すこし法的な話ですが、保育園の場合は保育室を3階以上に作ることもできますが幼稚園ではNGです。また、保育園は園庭が無くても大丈夫ですが、幼稚園はNGです。とても不思議ですが何らかの解決策が必要だと思います。
建物には構造的工夫もしています、中大規模建築ではめずらしい木造3階建てとしました。江東区は地盤が弱いため、できるだけ建物本体を軽くしたいとの意図からです、もちろん構造的には耐火建築物となるため、火災にも強いことになります。
この木造化は思わぬメリットも生みました、江東区は木場を要する木材の区でもあります、そのため区の木材を扱う会社様が施工に名乗りを上げてくれました。採算度外視?かはわかりませんが、コスト的にも大きくご協力いただいています。